第八回 曖昧に使ってはいけないROUND系関数のまとめ

今回はお仕事の請求書や見積書に欠かすことのできない「数字を丸める関数」の登場です。

この「数字を丸める関数」にも、「ROUND」「ROUNDUP」「ROUNDDOWN」「TRANC」「INT」等いくつかの種類があるのですが、意外と適当に使われているのが実情だったりします。

状況に応じて、ROUND系に代表される「数字を丸める関数」を使い分けることができれば、業務の効率化にも役立つのではないでしょうか?せっかくなので、まとめておきましょう。



●まずは「ROUND」「ROUNDUP」「ROUNDDOWN」の区別をはっきりと

「ROUND」「ROUNDUP」「ROUNDDOWN」の3つの関数は、名前が似ているので混同しがちですが消費税の計算の際などによく使用する関数です。会社の運用ルールなどに合わせて、計算式を設定できるようにしっかりと確認しておきましょう。


【ROUND】指定した桁数で数値の端数を四捨五入する関数
=ROUND (数値,桁数)
【ROUNDUP】指定した桁数で数値の端数を切り上げる関数
=ROUNDUP(数値,桁数)
【ROUNDDOWN】指定した桁数で数値の端数を切り捨てる関数
=ROUNDDOWN(数値,桁数)

例えば、下記のように、商品の代金に消費税(5%)を加算した際に発生する端数(ここでは、1円未満の数字)の処理を行う際に、どの関数を使用するかで結果が異なってきます。




ROUNDは四捨五入を行なうので、対象となる数値によって、ROUNDUPと同じ結果になったり、ROUNDDOWNと同じ結果になる場合が出てきます。
会社の請求書などの場合、「切り上げ」か「切り捨て」のいずれかでルール化されていることが多いはずなので、ROUNDUPかROUNDDOWNのいずれかを使うことになるのではないでしょうか。

●類似の関数、TRUNC(トランク)やINT(イント)も知っておこう

前述のとおり、会社の請求関連などの書類作成であれば、その会社のルールに応じて「ROUNDUP」「ROUNDDOWN」のいずれかで、対処できるケースが多いはずですが、まれに下記のような関数を使用して端数の処理を行うケースもあるかもしれませんので、一応知っておきましょう。

【TRUNC】指定した桁数で数値の端数を切り捨てる関数
=TRUNC (数値,桁数)
【INT】数値の小数値部分を切り捨てて整数にする関数
=INT(数値)

例えば、前出の例の式を「TRUNC」と「INT」を使って書いてみても、整数に揃える場合には「ROUNDDOWN」と同様の結果になります。但し、会社のルールで「切り上げ」処理する場合や整数にしない場合には使用できません。




結論としては、ひとまず「ROUNDUP」「ROUNDDOWN」に「ROUND」を加えた3つのROUND系関数をしっかりと使い分けることができるようにしておき、 「TRUNC」と「INT」については、一応意味と用途は知っているという程度でOKではないでしょうか。

【参考】
ラブストーリーでExcelの使い方を学べる話題の『東京エクセル物語 ~私の心の中の関数~』でも、解説されています。とても面白いので、合わせてチェックしてみてください。

『東京エクセル物語 ~私の心の中の関数~』第5話 ROUNDDOWNを君に
http://www.hello-pc.net/excel-story/story05.php


ROUND系関数の簡単な解説動画





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※素材の使用方法等につきましては同封の解説をご参照ください。

今回のExcelスキル:ROUND系関数まとめシート



“第八回 曖昧に使ってはいけないROUND系関数のまとめ” への1件のコメント

  1. [...] ROUND系関数の詳細については、下記の過去記事をご参照ください。 第八回 曖昧に使ってはいけないROUND系関数のまとめ [...]

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