これまでの謎への挑戦者1001人 すべての謎の解読者??人

第6話 宇宙の法則が乱れる日

「はあっ、はあっ、はあっ」

「この辺りまで来れば大丈夫ね・・・!」

「ぐ、ぐふっ・・・」

「な、中山教授!!」

「傷口が開いてるわ、このままだと教授が危ない・・・!
どこかに隠れられる場所があれば・・・!
警察に通報されると話がややこしくなるから、匿ってくれる人とかいれば良いんだけど・・・」

「あっ・・・!そうだ!
奈々ちゃん、僕の行きつけのバーのマスターに頼むと良いかもしれない」

「バーのマスター!?」

「そう、僕が日本へ戻ってきてからお世話になっているマスターなんだ。
きっと秘密を漏らしたりはしないはずだよ」

「分かった、相馬さんを信じるわ」


♪トゥルルル、トゥルルル

『・・・はい、こちらバーADC』

『あ、マスター!相馬です!
すいません、実はマスターにお願いしたいことがありまして・・・』

『はい・・・はい・・・。
分かりました。
私でお力になれれば・・・!』

『ありがとう、マスター、では・・・後ほど!』

ガチャッ ツーツー

「奈々ちゃん、エリコちゃん、バーに向かおう!
中山教授、もう少しだけ頑張って下さいね・・・!」


♪カランコロン

「マスター、ごめん!
一人が重傷で・・・!
どこか寝かせられるところあるかな!?」

「はい、こちらに・・・!」

「ぐっ、ぐふっ・・・」

「中山教授!しっかりして!」

「出血がひどい・・・。救急車を呼ぶしかない・・・!」

「相馬様!これをお使いください!」

「えっ!?これは・・・救急医療キット・・・!?」

「はい、こちらのキットは戦場で使われる医療キットです。
きっと胸の弾が取り出せるはずです」

「マスター、なぜ、こんなキットを・・・。
あ、今は聞かないでおきます!ありがとう、マスター!」

「相馬さん、私に任せて。
私は傷ついた人をたくさん治療したことあるから」

「奈々ちゃん・・・。
そうか、君の未来は戦場だったんだね・・・。
ありがとう・・・君に任せる!」

「中山教授・・・死なないで・・・!!」


「エリコちゃん・・・、なんかきちんと説明せずに、ここまで連れてきちゃってごめんね・・・」

「いえいえ、私の方こそ・・・。
助けて下さってありがとうございました」

「エリコちゃん、君が無事で良かった。
僕の名前は相馬雄介、昔、君のお父さんと一緒に働いていたんだ」

「私の父と・・・?」

「君にもお父さんから暗号が届いていたと思うけど、実は君のお父さんは・・・」

「・・・大丈夫です。
私、知ってます。
お父さんが命を落としたこと」

「エリコちゃん・・・」

「私・・・。 7歳の時にお父さんとお母さんが別れちゃって・・・。
それから、ずっとお父さんに会ってなかったんです。
でも、お父さんのことは忘れたことはなかった・・・」

「・・・」

「お父さんはたまに手紙を送ってくれました。
お母さんはすぐに破いて捨てちゃってたけど、私、それをいつも繋げて読んでました。

ただ、ある時から、研究に忙しくなったのか手紙が届かなくなって・・・。

でも、最近、一通の手紙が届いていたことを知りました」

博士からの最後の手紙・・・だね」

「はい。
その手紙、さっき、あの男達に手紙を見せられて、お父さんが命を落としたことを知りました」

そう言ってエリコは涙ぐんだ。

「エリコちゃん・・・。
辛いだろうね・・・

そんな君にこんなことを言うのは酷かもしれないけど、実は今、世界が滅亡の危機に瀕してる。

その危機を救うために博士が残した希望、それが君なんだ」

「・・・!」

「僕は博士の命を受けて、この国へ帰ってきた。
さっき君を監禁したあの男達の名は"トリム"。

博士が開発した装置"TW-1"を使って、世界を支配しようとしている組織だ」

「トリム・・・?
TW-1・・・?」

「TW-1は、博士のタイムワープ理論によって作られた物質転送装置。
目の前にある物質を別の時間軸に送ることによって、消滅させることができる。

博士、そして僕たちはこの装置を、人類の未来のために使うつもりだった。
しかし、装置は奪われ、今、TW-1は殺戮兵器として使われようとしている」

「・・・!」

「博士は、TW-1が暴走した時のために、緊急の停止コードを用意していた。
ただ、そのコードは僕も知らない」

「そのコードって・・・もしかして・・・」

「おそらく、博士は君にそのコードを託したはず。
・・・そうだね?」

「・・・はい、父からの最後の手紙に、コードを解く暗号が書かれていました。
そして、私、そのコードが何か分かったんです」

ドカーン!

きゃあああ!!

「んん!!、あっ、テレビか・・・?」

"視聴者の皆さん!大変なことになりました・・!!
今、ここ、東京タワーで、人々の悲鳴がこだましています・・・!

と、東京タワー、そしてタワーにいた人達が・・・跡形もなく消えてしまいました・・・!

こ、こんなことがあって良いのでしょうか・・・!?"

「ま、まさか・・・これは・・・」

「・・・!」

「間違いない・・・。TW-1が悪用されたんだ。
やつら、世界をどうするつもりなんだ・・・!?」

「・・ラキラボシ・・」

「・・・えっ?」

「キラキラボシ・・・、これがあの装置を止める暗号だと思います」

「エ、エリコちゃん・・・・」

「私、父からの最後の手紙に書かれていた暗号を解読できたんです。
キラキラボシは、私が幼稚園の頃によく歌っていた歌・・・」

「キラキラボシ・・・、それがTW-1の停止コード・・・!」

説明しよう!!「キラキラボシ」という暗号、それは第4話でエリコが解いた謎の中に隠されていた!

エリコがつぶやいた「キラキラボシ」という言葉。
その言葉はどのように隠されていたのだろうか!?

第4話の謎を振り返ってみよう!


まず、エリコが受け取ったExcelのファイルには複数のシートが含まれていた。
それぞれのシートの数字を合計し、1枚目のシートに表示させてみる。
すると、特定の数字以上のセルがオレンジにハイライトされる!

ここで第4話のストーリーを思い出してみて欲しい。
大沢博士が残した言葉を!

「小さい頃から歌好きだったお前は、いつも家で歌を練習していたな。できることなら、またお前の歌を聴きたい」

もう一度シートをよく見てみよう。
「音楽」というキーワードを頭に残したままで、各列最上部のアルファベットを見てみる。
そうすれば、「A」から「G」までのアルファベットが、「ラシドレミファソ」という「音名」に置き換えられることに気付くだろう。

●参考「音階」Wikipediaより
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9F%B3%E9%9A%8E

音楽に詳しくない人にとっては難しい問題だったかもしれないが、エリコは歌姫。
博士は音楽家である彼女だけに分かる暗号を送ったのだった・・・!

そして、各セルを上から下に、音階で読んでいくと・・・。

もうお分かりだろう、そこには「キラキラボシ」のメロディーが隠されていたのだ!

「相馬さん、東京タワーへ向かいましょう!
あの装置を止めないと・・・」

「エリコちゃん・・・!
よし、分かった!向かおう・・・!」

「奈々ちゃん!僕とエリコちゃんはTW-1を止めに東京タワーへ向かう。
君にはここで中山教授の手当をお願いしたい!」

「分かったわ、相馬さん!
エリコちゃん・・・、どうかお気を付けて・・・!」

「待て」

「!?」

「危ないっ!!」

ドキューン!

バッ

「・・・!ま、まさか・・・!
そんな・・・あなたが・・・!」

「マスター!!」

「・・・ふっ、相馬さん、人間には表の顔と裏の顔があるんですよ。
私のコードネームは"スコッチ"
実はトリムの人間です」

「なっ!!」

「あなたがうちのバーを使ってくれていたのは、好都合でした。
おかげで、TW-1の停止コードを知ることができた。
我々トリムにとって、最も懸念すべき材料が無くなったというわけです」

「マ・・・マスター・・・!」

「相馬さん、すいませんが、あなたたちにはここで死んでもらいます」

ドキューン!

「・・・!」

「・・・えっ!?」

その時、相馬の後方から一発の銃弾がスコッチの胸を撃ち抜いた。

「ぐ・・・ぐふっ・・・お・・・お前・・・」

「な、奈々ちゃん・・・!」

「忘れたの・・・?私は未来の女戦士よ」

「くっ・・・くくく・・・。さすがは女戦士・・・。
しかし、もう遅いわ・・・。先程の暗号は組織の研究部へ送られた・・・・。
TW-1の解除コードは間もなく無効化されるであろう・・・・」

ドターン

スコッチはその台詞を残すと静かに倒れた。

「マスター・・・」

「相馬さん、ここは私に任せて、早く、東京タワーに!」

「そ、そうだ!エリコちゃん、行こう!」

「はい!!」


フハハハハハハハー!!!

「想像していた以上の破壊力だな」

「はっ、ありがとうございます。
ただ、これはまだまだ序の口でございます。
さらにエネルギー供給を行えば、島一つなど簡単に消せるくらいの力が期待できると思われます」

「ふっ・・・。TW-1か。
大沢博士め、素晴らしいものを残してくれたものだ」

「ボス、もう一つお耳に入れたい吉報がございます」

「なんだ?」

「スコッチが、TW-1の"緊急停止コード"の暗号を手に入れたとの連絡がありました」

「ふっ、そうか、停止コードの暗号さえ分かれば、こちらの技術で停止機能を削除できる。
何者かに停止させられることも無くなる」

「フッフッフ・・・。


ハーッハッハッハッハ!!!

ふはははははは!!

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